「我ら、時」の時。

小沢健二のライブ盤が3枚組で遂にリリースされた。

AMAZONからの発送通知にこんなにもザワついたのは久しぶりだった。

以前のエントリでも書いたとおり、今でも新しい何か、を提供してくれる作品になっているのか、過去の思い出を反芻するアイテムになってしまっているのか、不安だったからだ。

 

かくして、その晩、酔っ払って帰宅してすぐアマゾンの面倒な梱包を引き剥がして早速聴いた。。。

 

悪い予感は的中した。

 

バンドの演奏もアレンジもアップデイトされていて悪くないけど、(ミックス結構気持ち悪いと思うのは僕だけですかね?)

その中心で唄うオザケンの声が哀しいくらい全く出てない、そしてそれを隠すような多様されるビブラート。これ(自分含めて)カラオケで下手な人がそれっぽく歌ってるように聞かせる時によくやるよね、なんて思って酷く酔いが回ってしまった。

 

もともと決して唄が巧い訳ではないんだけど、過去のスタジオ盤にもライブ音源にもあったキラキラとした躍動感が全く失われていて、それに替わる深みや円熟味があるのかというとそれも無く、なんとも哀しくなる出来だった。

 

これでステージ立ったのか、

これを製品化しちゃうのか、

 

と・・・。

 

これを喜ぶのは往年の熱心なファン(信者という言葉はあまり好きじゃないけど)だけじゃないか?

小沢健二はこれまで決して間口を狭くせず、広く多くの人に音楽を届けるようにしてたんじゃないか?

 

と・・・。

我ら、時?通常版

我ら、時?通常版

 

 

当時の音源と聴き比べしているうちになんだかほとほど哀しくなってしまって、あぁもう本当に興味を失ったなと思って、一応録画していた「いいとも」を翌日見たら、

 


笑っていいとも! テレフォンショッキング 小沢健二 (2014年3月20日) - YouTube

 

その弾き語りが凄くよくて、か細い声とガットギターの音色がとてもマッチしていて、あぁ、凄いいいじゃないか!

この「時」(=今)と「時間」(=歴史)をちゃんと表現できているじゃないか!とグっときてしまった。

 

今日のいいとも増刊号でやっていた(CM中に披露されていた)ブギーバックも、

SDPのラップ部分を節をつけて自分のものとして歌っている姿になんだか感動してTVの前で泣いてしまった。

小沢健二 「今夜はブギー・バック」を笑っていいともCM中に披露! - YouTube

 

結局まだまだ何だかんだ好きなんじゃねーかよ、メンドくせーな、おい、というお話でしたw

 

小規模の公演があったら行きたいなぁ、と。